2008/4/21

桜の花ももう終わり。
毎朝見渡す街並みも、
みどりの面積がぐんぐん広がるようだ。
考えごとをしながら、
川沿いの道を歩いていたら、切り株を見つけた。
ここだけ並木が欠けているので、ソメイヨシノだろうか。
一説だと、ソメイヨシノの寿命は60年。
けっこう大きな切り株だから、
これも傷んで倒れる前に切り倒したのかもしれない。
周囲の木も幹にコケ類が付着し、緑がかって見える。
白いキノコが生えている木もあった。
並木だから同時期に植えた可能性が高い。
ってことは、いっせいに寿命が来る。
皆ばさりバサリと切り倒されて行くのかなぁ。
寂しいなぁ、と感傷に浸る。
15メートル先を、なじみの猫が横切っていく。
子猫だったのに、いつのまにか随分大きくなった。
呼びもしないのに、猫は振り返った。
元気か、と声をかける。
ヤツは、
しばらく僕を見つめ、ひらりと腰高の塀に飛び乗って、
平均台ほどの幅を身軽に走って去った。
その軽やかさにちょっと見とれた。
並木の切れ目には、桜の若木が1本植えられていた。
風にへなへなと幹がしなった。
木が枯れるには、寿命以外の理由もある。
こいつ、ここで上手く育つだろうか。
なるようにしかならないか。
ぐんぐん伸びろ、空までも。

0
コメントは新しいものから表示されます。
コメント本文中とURL欄にURLを記入すると、自動的にリンクされます。