
3月19日、卒業式の朝、車のエンジンをかけると目に飛び込んできた「一並び」。思わず「こりゃあ、いい日になるぞ!!」って独り言。嬉しい一日の始まりでした。

職場に着くと玄関には卒業を祝う大きな生け花。花は人の気持ちを持ち上げますねえ。

なかよし学級の黒板には、卒業担任の先生が心を込めて啓示した祝福メッセージ。卒業生を送り出す気持ちって、本当に本当に深い深い、子どもたちと自分自身の成長を振り返る気持ちなんですよ。

大好きな6年生が卒業していなくなることを悲しんで、4年生の男の子が泣いています。それを慰める卒業生。まるでドラマのワンシーンでした。

子どもたちは毎年卒業を祝って生け花をしています。今年もこんなに素敵な花が並びました。どの子も本当に上手に個性を出して生けるようになっています。

人数が少なくなってきているとはいうものの、学年が揃うとものすごいパワーです。有終の美を飾ると言いますが、本当に卒業という儀式は子どもたちを変身させますね。

式が終わって教室での最後の別れのごあいさつ。私も9年間のこの学校での仕事に終止符を打つことになり、子どもたちに胸を詰まらせながらお話しさせてもらいました。

見送る人、見送られる人・・・・・最後の最後に中央ホールは笑顔と涙があふれる、愛情いっぱいの空間になりました。

卒業という儀式は次の学校生活へのステップアップの儀式ですが、子どもたちが最高学年という誇りを胸に卒業する一方で、次の学校は最低学年として迎えるわけです。そして早く立派になってもらおうと、子どもたちにいろいろな制約や要求を山積みにするわけです。子どもたちは自分の成長を振り返り、自分がどんな中学生になろうとしているかを、自分で確認しています。そのままの勢いで、そのままの純真さで、そのままのその子の魂で、中学生活をスタートさせ、一人一人の生き方を認めながら、さらに高いところへ向かわせたい。そう思うのですが、子どもは育っていないと思われがちですね。中学生になったところで、確かに育ってはいませんが、自信と誇りをうまく活用して、自分の力で成長していって欲しい。そう思うのです。

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