最近の住宅は、大手ハウスメーカーも地場の工務店も健康住宅ばやり
健康住宅でなければ、見向きもされないという状況です。
健康住宅を建築する上で特に重要視される素材が、調湿性のある素材
珪藻土だったり、漆喰だったり、シラス壁に薩摩中霧島壁、エコカラットと挙げたらきりがありません。
家づくりを目指す皆さんは、調湿性のある素材を使っていれば、じめじめ湿気ともおさらば
カビやダニのない健康的な住宅ができると妄想していませんか?
そもそも、調湿性能に富んだ素材といわれるものの調湿性能ってどの程度なんでしょう?
調湿性能の正しい基準(ものさし)@気持ちいい暮らしブログ に性能基準の説明がありました。
はいから小町(珪藻土) 241g/u/24h
漆喰美人 150g/u/24h
パーフェクトウォール 61g/u/24h
測定の条件は、最初、湿度45%の湿度環境に置かれた試験体を、その後、湿度90%の湿度環境に24時間置き、どの程度の水分を吸収するか測定し、次に湿度45%の環境に24時間置き、どの程度水分を吐き出して、
軽くなるかを測定するという作業を行い、この作業を何度も繰り返し、その平均値を出すんだそうです。
わずか1mmか2mmの暑さで壁に塗っただけで、1u当たり240gということは、4uの施工で1日に約1リットルの水を吸排出するということです。
これはすごいですよね。
これだけ吸排出してくれればかなりの効果が期待できます。
しかし、賢明な皆さんは気が付きましたよね。
湿度45%と90%の日が1日置きに来るだなんて日本の気候ではありえません。
皆さんが期待しているのは、梅雨時のジメジメ感を取ってくれて、冬の乾燥時には水分を放出してくれる。
そんな性能を期待しているんじゃないですか?
でも、梅雨時は毎日が湿度70%〜90%の連続です。
そんな環境では、一度水分を飽和状態まで吸ってしまうと、放出するのは難しいでしょう。
そういった条件でのデータこそ有効なんですが、あるでしょうか?
もし、ご存じの方があれば、ご教示ください。
さて、健康素材といわれるものに生じている重大な問題もあります。
実際に、珪藻土壁にカビが生えて困っているという話はネットいくらでも出てきます。
→
珪藻土に発生するカビと珪藻土の発ガン性
私は調質素材の効果を否定している訳ではありません。
一日のうちでも温度の変化で相対湿度が変化しますから、その湿度変化に対応する調湿性能は期待できます。
といっても、目に見えるような効果となるとむずかしい気はしますが、
その効果に対する期待度を住宅に高性能を求めるグループと、そうでないグループに分けて考えてみましょう。
高断熱・高気密理論の第一人者 南 雄三さんの言葉を借りれば、高性能追求派は調湿をバッファー(緩衝帯)と捉える。ふっと結露する条件になってしまっても調湿性があれば吸湿してくれる程度の期待です。
仮に結露したとしても、カビが生えるなどの湿害にまでは至らないだろうという程度の性能でいいと考えます。
一方、高性能に無頓着派は調湿を積極的に捉えます。低気密低断熱の家では、個別暖房で、暖房しない部屋では結露が心配なので、調湿素材に過度の期待をせざるをえません。
でも、実際にはそこまでの性能はないわけです。
実は、調湿素材の性能に期待するより、気密性を高めて(C値1.0以下)、計画的な換気をする方が有効なんです。
もちろん、珪藻土やシラス壁の風合いは大変いいですよね。
我が家では、和紙の壁紙にエコカラットを施工してもらって、空気がおいしいと実感していますが、それは素材の調湿性によるものというよりは、計画換気によるきれいな空気と桐やタタミといった素材の持つ爽やかさからきているような気がします。
高気密高断熱の住宅にして、予算に余裕があれば、調湿素材を施工して、見た目も空気もきれいな住宅をめざす。
それが正解ではないでしょうか?
くれぐれも、調湿素材に過度な期待はしないように!それが私からのアドバイスです。
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ガンにも負けず高気密・高断熱の家づくり日記

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