一戸建てに住むときに一番、心配になるのがお隣とのトラブルではないでしょうか?
当ブログでもお隣とのトラブルに関し、法律の規定や対処について、いくつか記事を書いてきました。
今回は、隣地の植栽の枝が境界線を越えてきた時の対処法です。
このことについては、民法でちゃんと規定されています。
宅建主任者試験でも定番の問題で、私が受験した平成21年にも次の問題が出題されました。
平成21年 [問 4] の選択枝(3)
(3)Aの隣地の竹木の枝が境界線を越えてもAは竹木所有者の承諾なくその枝を切ることはできないが、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、Aはその根を切り取ることができる。
さて、この選択肢は民法の規定上は正しいのでしょうか?
民法233条1項によると、「隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」とあります。
あくまで、木の所有者に、枝を切り取るよう請求できるだけですので、無断で切ってはいけません。
では、後段の根を切ることについてはどうでしょうか?
民法233条2項によると、「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」とあります。
ということで、選択肢(3)で言っていることは正しいということになります。
根は切っていいが、枝は切ってはいけない。
なんだか、現代の常識から言うと逆のような気がしますが、民法が施行された明治時代の常識には合っていたようです。
農業が主産業で、しかも敷地にもゆとりのあった明治時代では、枝が伸びてきたところで日当たりが悪くなる程度だが、根が伸びてくると自分の敷地から大切な肥料や栄養分を取られてしまう。
そんな発想があったようです。
かと言って、越境してきた根を切って、処置が悪くて枯らしてしまえば賠償責任問題ですから、やはりお隣さんの了解は得たいところですよね。
枝に関しては、お隣さんに剪定を依頼して、それでも切ってくれないときには、裁判に発展という可能性もありますが、やはり、そこは穏便に済ませたいもの
剪定してくれないなら、境界を越えた分をこちらで剪定することに了承をもらいたいところですが、その場合でも、枯らしてしまえば責任は免れません。
「素人がやって枯らしてしまっては申し訳ありませんから、そちらでお願いできませんか?」
と聞いて、それでもいいからそっちでやってくれと言われれば、その経緯をしっかりメモに残しておきます。
万一、木が枯れてしまってもメモが残っていれば、証拠として認められる可能性大です。
こちらで枝を切るのなら、そこまでしてからが望ましいと思います。
ただ、お隣さんとの関係を壊したくないと思うのが多くの皆さんの考えでしょうから、そういう前提なら
「法律はこうなっているじゃないか!」というの禁句
それを言ってしまうと臨戦態勢ですから、
それは自分の心の中にしまって、まずは、お互い譲り合いの気持ちを大切に交渉してみることが大切ではないでしょうか?
【参考記事】
◆隣地を見通す窓には目隠しを付けなければなりません。
◆民法を切る-隣地境界線からの50cm
◆エアコン室外機の風向きを変える吹出しグリル、風向調整板
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