週末は宇都宮までの出張。
その出張そのものについては
疑問を感じることもなきにしもあらずだが、
えてして日常的な仕事にだって、意味があるのかないのかはわからないが、
出張という非日常が加わると、
「なにしにいくの?え?わざわざ札幌からそんなとこいく意味あるの?」なんていわれてしまう。
目立ってしまうものである。
「オレも、おまいさんの存在意義を問いたいよ。」
そう思いきり言ってやった。・・・・心の中で。
そうは言いながら、自分自身クエスチョンマークを抱えながら
宇都宮の支社にいるメンバーと仕事をしたのだけど、
中途入社社員研修で一緒だった仲間や、共通の友人がいる札幌出身のメンバーとも話が出来て、それはそれで収穫ではあった。
ランチタイム
例によって、若手を捕まえた上司の話が長く、
他のメンバーはさっさと食べに行ってしまい、
地元に不案内な上司、オレ、新入社員3人が残ってしまう。
(本人によると、相手が話を聞きたがっていたから。
いや、逆でしょ。話を聞けオーラ出てました。)
「うーん。何食べようか?」
午後の部も人に会うから、名物の餃子はご法度。
こんな時に、
独自の嗅覚が発揮されるのが、
オレの持ち味だと思う。
札幌でいうところの狸小路のようなところだろうか?
宇都宮には、オリオン通りという商店街がある。
そこの脇道に、
その怪しい店はあった。
道に出ていた立て看板
ランチ800円 ウーロン茶付き。
一番上には
舌平目のムニエル
その下にたしか・・・
薬膳カレー
チキンカレー
(辛)グリーンカレー
♡レッドカレー
「ここ入りましょうよ。」
急勾配の階段。
途中、白髪のおっさんがマイクを手に
ロックンロール風に叫んでいるような、
写真が3枚ほど。(店主か?看板タレントか?)
門を開ける。
客が誰もいない。
あれ?失敗したかな?
カウンターの中に、あのおっさんがいた。
シャツのボタンも三つ目まで大きく外し胸毛も見せている。
チキンカレーを注文した後に
「グリーンカレーを
食べやすく追及したら
レッドカレーが出来上がって、
一度、レッドカレーを食べたらもうやみつき。」
そんなことをいう。
同行者2名はレッドカレーにしたが、
あんまり、しつこく言うものだから、あまのじゃくのオレは、チキンにした。
料理が出てくるまでに
聞いてもいないのにしゃべるしゃべる。
19歳からの生い立ち。
その白髪の現在に到達するまで、何年分話聞いていなきゃいけないんだろう。腕時計をちらっとみる。
新人君が、黒板に気がついた。
カーリーアイダのSHOWTIME ¥0
おいおい、いまどきマクドナルドのスマイルじゃあるまいし。
せめてFREEって書けよ。
そういう話ではない。実は、すでに気がついていたのだが、オレは黙っていた。
すかさず、
「それじゃぁ。後でワンフレーズほどサービスすっか?」
やっぱし。カーリーアイダとは彼のことだった。
「話し声と、歌う声は違う。
リバースしたことあるか?其の感覚で発声するのが近いかな?」
「最近は歌いたい曲がない。」
「近頃は本物のロッカーがいない。」
延々と続く彼の語り。アウトロー風体の彼が言うと、
受け売りなのかもしれないし実体験なのかもしれないが、
もっともらしく聞こえるのが不思議だ。「人は見た目が9割。」
話をするだけで、まるで調理している様子が見られなない。
だ、大丈夫か。
午後の仕事に間に合うか?
物音一つしなかったのだが、調理場に一人いたらしい。
料理が出来上がってきた。
プレートにサラダ、煮物、五穀米、もう一皿。
そして別皿でカレーが出てくる。
「これは意外。うまそうだぞ。」
五穀米をカレーのルウにつけ、
スープカレーのように食す。
これは、意外とうまいぞ。ココナツミルクの風味も
なかなかよい。
しゃべるカーリー。
「おすすめにもいろいろ種類があって、
本当に、食べてもらいたいっていうおすすめと、
いたみだしたから早く処理したいっていうおすすめと、
ごにょごにょ。」
唄うたいの割には語尾がはっきりしない。
食後のウーロン茶をサービスしながら、
マイクをアンプにつなぐ。
カラオケが流れる。
あ、これは。
エルビスの「好きにならずにいられない。」
う。昼間からこれか?
まあ、いい声である。でも、英語がカタカナでかわいい。
LもRもTHも全部カタカナで、潔い。ロッカーである。
2曲目に入る。
「タイガー&ドラゴン」たぶん、和田アキコバージョン。
だとおもう。
♪俺の話を聞けぇ。5分だけでもいい。〜♪
5分以上聞きましたぁ。入店以来ずっとですぅ。
おなかいっぱい。ごちそうさま。
その店はこちら〜ホームページはないらしい。
Cafe Dad−rio
カフェダダリオ
http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000662146.html
あの、カレーは旨かったから、
宇都宮に立ち寄ったら、また行ってみたい。
まず、機会ないけど。

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