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10月定期公演の聴きどころ
いよいよこの10月は、首席指揮者就任記念公演として、A、B、Cすべてのプログラムをパーヴォ・ヤルヴィが指揮する。
パーヴォ・ヤルヴィは、すでに正式な就任に先立って今年2月の定期公演に登場し、マーラー、ショスタコーヴィチ、R.シュトラウス他のプログラムで、大きな話題を呼んだ。
「N響の音が変わった」と、新時代の到来を早くも実感した方も少なくないだろう。
弦楽器の配置ひとつをとっても、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを両翼に配置し、コントラバスを舞台下手奥に並べるという、古い伝統に即したスタイルが採用されていた。10月の公演でも同様の配置がとられるのだろうか。
3つのプログラムには、パーヴォ・ヤルヴィ得意のレパートリーが並んだ。いずれの公演も、強い印象を残してくれるにちがいない。
◇ 華やかで高度な名技性を堪能したい多彩な作品が並ぶCプロ
エルッキ・スヴェン・トゥールは、1959年エストニア生まれの作曲家。プログレッシヴ・ロック・バンドのリーダーとして音楽活動をスタートさせたという異色の経歴を持つ。
《アディトゥス》は、2005年6月にパーヴォ・ヤルヴィ指揮によるN響定期にて日本初演された作品であり、今回再度とりあげられることになる。パーヴォ・ヤルヴィはこれまでにもこの同郷の作曲家の管弦楽曲を多数指揮して、作品の紹介に尽力している。
五嶋みどりが独奏を務めるショスタコーヴィチの《ヴァイオリン協奏曲第1番》も話題を呼びそうだ。
1940年代後半に作曲されながらも、体制による批判を恐れて発表が控えられ、スターリン没後の1955年にようやく初演されたという問題作である。第3楽章の後半には長大なモノローグ風のカデンツァが置かれ、独奏者にスポットライトが当たる。
バルトークの《管弦楽のための協奏曲》では、オーケストラの高度な機能性と名技性が全開となる。華やかな音の饗宴を堪能したい。
パーヴォ・ヤルヴィとN響による新時代の行方を占う3つのプログラム。期待に胸が躍る。
[飯尾洋一/音楽ジャーナリスト]