何で自転車に乗りたくなったか? 元々自転車に乗るのは好きだったし、ダイエットの必要があるからとか、色々だが、直接的には自転車マンガを読んだから(単純)。
そんな訳で今まで読んだ自転車マンガを羅列してみる。

曽田正人 「シャカリキ!」
だいぶ前に読んだもの。「シャカリキ!」は良くも悪くも曽田正人という感じで、熱い男の熱い走りの話。
当時の自分の感想は「こういう自転車の乗り方は体に悪そう」「根性以外に『勝つ理由』がないマンガ」「そういう意味で梶原一騎を越えてないどころか、退化しているマンガ」。面白いけど自分が自転車に乗りたいと思わせるマンガではありませんでしたな。

玉井雪雄 「かもめ☆チャンス」
自転車に乗りたいなぁと思うきっかけになったのはこのマンガか。
玉井雪雄といえばスピリッツ誌で「オメガトライブ」とかいう訳の分からん(しかし薄っぺらい感じの)マンガを延々描いてた人くらいの認識しかなかったが、この「かもめ☆チャンス」は面白い。30絡みの主人公がひょんなことから自転車に魅せられていく。実は自分でも知らなかった自転車への適性が目覚めていき…みたいな(ここら辺のなんちゃって設定は少年マンガによくあるパターンの流用という感じか)。
「オメガトライブ」のキャラが再利用されているが(小菅、桜=桜島、梶)、オメガでは全く魅力がなかった彼らが何故か魅力的に。
本来(本格的にスポーツをやるには)いい年して自転車を始めた主人公に感情移入するように作者は描いているのだろうが、どっちかというとロクに努力もせず金の力で趣味を追求しようとする半田勇吉に共感しちゃったりして。

玉井雪雄 「じこまん」
上の「かもめ☆チャンス」と同じ玉井雪雄先生の自転車に関するエッセイまんが。このマンガの第1巻を読んだ頃はかなり自転車への興味が出ていた頃だったが、これを読んで逆に自転車購入が遠のいた。ケガ恐いし、お金かかりそうだし、思ったより気軽に乗れなそうだし。
ただ、これの第2巻にはBD-1が登場していて、そこで初めてそういう自転車があることを知ったのでした。

安田剛士 「OverDrive」
面白いと聞いて読んでみたが、第1巻途中で挫折。自分が中学生の時に読んだら面白いと思ったかもしれない。

渡辺航 「弱虫ペダル」
言わずと知れた今大ヒット中のマンガ。これを読んで自転車を親にせがんだ小学生中学生も多いことでしょう。
まあ、面白いと思いますが少年マンガなんでちょっと物足りなくもある(そりゃしょうがない)。おっさんでも読める時点で相当の良作なんでしょう。ただ、個人的には御堂筋くんがキモすぎてあまり馴染めませんでした(笑)。

鬼頭莫宏 「のりりん」
鬼頭莫宏といえば「ぼくらの」。正直、「ぼくらの」は自分読んだマンガの中でも三本の指に入るほど嫌いな作品。あまりに嫌いで鬼頭莫宏という名前を覚えておらず、「ぼくらの」の作者とは気づかず本作を購入してしまったのでした。で、最初のページを開いて(気持ちの上で)頭を抱えた。「あいつかよーーーーー」。
で、つまらなかったかといえばそんなこともなく、全巻読んでしまったのでした。
色々不満な点はありましたよ(この作者は好きじゃないという思いがあるから無意識に粗捜ししちゃったのかな)。
「設定無理ありすぎだろ」
「主人公がいい人設定らしいけど、車いじりが好きで免停食らってる時点でとても同情できんわ。身内贔屓で誰彼構わず喧嘩売るのも社会の迷惑」
「なんだこの、前振りもなく人に無理矢理自転車を勧めるラーメン屋のおばはんは? 頭おかしいんか?」
「この高校生のヒロイン、人とツーリングに行っても、楽しいとどこまでも一人で自転車乗って行っちゃうって、ちょっとやばい子としか思えないんだけど」
「うっすい絵やの。うっすく叙情派か?」
「なんだこの『実はすごいデブ』みたいなの。サモ・ハン・キンポーかっつーの」
「人柄が愛せるのはトドローだけだな」
と、色々イライラしましたが、まあ面白かったです。ヒットマンガを一つ出した作者さんだけに、全く違う作風で描いてもどこか引きがあるんだなと。