
ラマダンの時期にしか味わうことが出来ない「日没後のフトール」を
ムスリムの人たちと一緒になって味わおうと、ラマダンも折り返しと
なった7月24日の水曜日に食べに出かけてみました。
2010年は「ERIC&KAYZER」で食べ、2012年は近くのカフェ
「GELATERIA」でいただきました。
一口にフトールといっても、定番の品に個性があり、又、主食のパン
にも個性があるので、色々なお店で味わってみるのも、又、いいもの
です。
ムスリムの人たちと同時に日没にいただきたいので、アパートを出たのは
日没予定時刻の7時40分より早い、午後7時。
通りからは、まだ太陽が覗いています。
このくらいの時間になってくると、ムスリムの人たちは殆どがフトール
を食べる準備に入るので、普段はいつも大渋滞している道はガラガラに
空いて、静かになってきます。
人気の無い路地は、危険が伴うので、未だ人通りの多い大通りを
歩いていきます。

途中、何件もの「フトール」が食べられるレストランを見かけます。
が、今回の目的地はタンジェの港を一望できる「Tanger Boulevard」
の大きなテラス。
地下階に入ると、スーパーマーケットのアシマなどがあるショッピング
モールです。
(未だ、入居しているテナントは少ないですが・・・・)

この地下階に行ける階段の脇を抜けると、地中海を見渡せる大きなテラスが
あり、そこには3件のカフェ&レストランがあり、どこもフトールを食べる
お客さんで混み合っています。
私たちは一番見晴らしの良い一番奥のカフェへ行ってみる事にしました。

お目当てのカフェに行って、店員の方に「フトール食べられますか?」と、
聞いたところ、「どうぞどうぞ」と言いながら、とてもラッキーな事に
地中海を望める席へと通して頂きました。
窓からは、タンジェマリーナの建設途中の光景や港、メディナの方まで
見渡すことができます。

フトールは、事前に準備されているのでしょう・・・席に着く事2分で
フトール食が、テーブルに運ばれてきました。
が、すぐに食べるわけにはいきません。
この時点で、日没までまだあと10分あります。
皆さんご存じの通り、ラマダン中は、日が昇っている間の飲食は出来ません。
モスクから、日没を知らせるアザーンが流れて初めて、食べ物や
飲み物を口にする事が出来るのです。
いくら、私達がムスリムで無いといっても、ここで手をつけたら
申し訳ない。

周りのムスリムの方たち同様、私たちもアザーンが流れるのを待ちます。
私たちは昼間、通常通り飲んだり食べたりしていますが、ムスリムの人達は
一日飲食を我慢した上に、目の前にご馳走を並べられているのですから
もう、お腹は極限状態でしょうね。
ラマダンの一カ月間、よく我慢ができるなー・・・と感心させられます。

日没直前に、モロッコの代表的なスープ「ハリラスープ」が運ばれて
きました。
熱々のスープを飲んでもらいたいと言う、お店側の気遣いが嬉しいですね。
これでフトール食が全部揃いました。
メニューは左上から「ハリラスープ」「オレンジジュース」「牛乳」「ミネラル
ウォーター」。
お皿の中は「ゆで卵」と、その隣は上からセモリナ粉で作られた「ハルシャ」
モロッコ風パンケーキの「バグリール」、そして、折り込みパイ風「ムセンメン」
というモロッコの代表的なパン3種。
他の店では、ホブスというこれまたモロッコの代表的なパンを出すところも
ありますが、このお店では出てきませんでした
更に、チーズ、日本のかりんとうのような「シェバキア」栄養豊富な「デーツ」
そして小さな器には蜂蜜とジャムが入っています。
3種のパンには、バターと蜂蜜やジャムを付けていただきます。
(画像の上をクリックすると、ちょっとだけ画像が大きくなりますので
興味のある方はクリックして見てね)

夕空にアザーンが流れ、いよいよラマダンの朝食「フトール」をいただく
時間になりました。
実は、過去の二回とも、アザーンの後に入店して「フトール」を食べていた
ので、アザーンと同時に、ムスリムの人たちとフトールをいただくのは、今回が
初めてです。
食べる順番が決まっているのか、周りの人たちの様子を伺ったところ
特別な順番は無いようで、皆さん思い思い口に運んでいます。
中には食事に手を付ける前にテラスに出て、お祈りをしている人もいました。

一通り、辺りの様子を伺った後、早速「フトール」をいただく事にしましょう。
まずは、一口牛乳で喉を潤してから、ハルシャにバターと蜂蜜をトロ〜リと
かけいただきます。
ハルシャもバグリールも、パンと言いながらもふんわりと膨らんだもの
ではないので、密度は高め。
最初に出てきた時、ちょっと量が少な目かな・・・と思ったのですが
意外に、ずっしり。

食事が終わる頃には、日も沈み、空は黒から濃紺そして、オレンジへと
色が変わるグラデーション。
街には街灯が灯っていました。

会計を済ませて、カフェを出るともう、辺りは真っ暗です。
でも、ムスリムの人たちにとっては、今が朝食を終えたばかり。
これから、真夜中の3時頃まで街が賑わう時間です。
私達も、あふれ始めた人ごみとともに歩いて自宅へと戻ること
にしました。
ムスリムの皆さんは、これからが楽しい時間。
私達は、これから帰って寝る時間。
同じ雑踏の中、足取りは全く逆なんですねー。

最近、街のあちこちには、沢山のモロッコ国旗が立てられています。
更に、私が住むアパートの前にはとても綺麗な電飾も飾られました。
折角外へ出たのだからと帰りに、この電飾を見に立ち寄ってみました。

写真は全体が暗くてよく分からないと思いますが、よ〜く見ると
下のほうに「人」が写っています。
道行く人たちは、この電飾の前で記念撮影をしているのです。
高さ10m以上はあるでしょうか? とても大きな電飾です。
来週7月30日は、国王即位の日で、モロッコは祝日です。
あちこちに立てられている国旗や電飾は、この祝日を祝ったものの
ようです。
残念ながら、昨年に続き今年もこの祝日はラマダンの真最中ですが
なんだか今年は、昨年に比べとても華やかな印象を感じます。
どんな祝日になるのか、とても楽しみです。
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