ラマダンが始まり2週間が過ぎ、すでに後半に突入しています。
私たちはラマダン中にしかできない「フトール」体験を、ここ数年
実施してきました。
今年もフトール体験をしよう・・・という事で、先週の金曜日に
フトールを食べさせてくれるレストランを求めて日没前に出かけました。

昨年は、タンジェの港が見渡せるショッピングモールの屋上テラス
のレストランで、フトールを食べましたが、今年は日が沈むのを
見ながら食事ができるカフェはないか・・・と、湾の東側へと
行ってみました。
このあたりは、最近新興住宅地として沢山のアパートやホテルが
建ち始めた場所です。
が、なんという事でしょう・・・・この日に限って、天気は曇り。
夕日を見ながら・・・どころでは、ありません。
こうなったら、景色は期待できないので、何処か新しいカフェで
フトールを食べさせてくれる店を探そう・・・と、街の中に向けて車を
走らせました。
この時点で日没20分前。

信号が赤になったので車を停止させたところ、後ろからもの凄い
スピードで、私の車の脇を追い越していく車がありました。
ラマダン中の日没間近の時間帯は、無法地帯と化すので、360度
注意が必要です。

この後、タンジェでは人気の高いパン屋さんのL’Italienneに
カフェ部門がオープンしたので、行ってみようという事に
なり、今度は湾の西側へと移動。
ところが・・・行ってみるとカフェ店はクローズしていました。
どうやらラマダン中は休業のようです。
早めにアパートを出て、レストランでほかのモロッコの人たちに
混じって、ナイフとフォークを持って、日没の合図を告げるアザーンを
待つのを楽しみにしていたのですが、日没が大分迫ってきました。
こりゃ、レストランを探している余裕はありません。

そこで、思いついたのはアパートの近所のカフェ「La Ruche」。
ここなら、以前に通りかかったときにフトールを提供していたのを
見ているし、まだこの店のフトールは食べたことがありません。
車で、直行すれば日没10分位前には到着できそうだったので
ここでのフトールに決定。
案の定、この時間帯に走っている車はほとんど無いので、予定通りに
到着。
路上に車を停めて、店に飛び込みます。
このカフェは、先月から改装工事を行っていましたがどうやら
完成したようです。
ガラス張りの、とてもおしゃれなカフェになっていました。

中へ入ると、店内はさほど混雑しているといった状況ではなかった
ため、余裕で座ることが出来ました。
先に来ていたモロッコの人たちの前には、すでにフトールが置かれ
日没を告げるアザーンを待っていました。

反対側の席には家族連れ。
アザーンが聞こえるまで、目の前のご馳走に手を付けず、ジッと
待ちます。
私達のテーブルに店員さんが来たので、フトールをオーダー。
日没まであと5分程度しかなかったので、何も考えずにフトール
をオーダーしたのですが、後でテーブルの上に置かれていたパンフ
レットを見たら、なんと120DH(約1400円)と書かれて
いました。
過去最高のお値段です。
今までは、フトールはどのレストランでもせいぜい50〜70DH
位だったので、倍の値段にびっくり。

そして、間もなく運ばれてきたフトール。
必ず食べるのが、ハリラスープというトマトベースのスープと
ナツメヤシの実「デイツ」、そしてゆで卵。
これらは、定番ですがここではフライドチキンに惣菜パンもついて
いました。

さらに、モロッコのパンのホブスや、ムセンメンと言うクレープ等々。
飲み物は、オレンジジュースかミルクのどちらかを選択との事でした
ので、オレンジジュースをお願いしました。
と、よく見ると、この量・・・半端なく「炭水化物」のオンパレード。
食べきれる量では、ありません。

さらに、食後のモロッコ名物「ミントティー」も出てきました。
妻と二人で、これは絶対食べきれないね・・・と話しているうちに
日没の「アザーン」が告げられ、皆一斉に食事開始。
私たちも、アザーンの合図と共に食べ始めます。
因みに、フトールとは「朝食」という意味です。
ラマダン中はどうして日没の後に食べる食事をフトールと呼ぶので
しょう?
それは、ラマダンに入るとムスリムの人たちの昼と夜が逆転する
からなのです。
もちろん、会社で働いている人たちはラマダン中と言えど、日中仕事を
していますが、基本的には、日中は非活動の時間。
日没と同時に始まる1日ということでフトールを食べ、夜中じゅう行動
するのです。
そして、日が昇る前にそれぞれ「夕食:ソホールと呼ばれます」を
食べて、ラマダンの一日が終了するのです。
が、モロッコでは沢山の企業がヨーロッパを相手に仕事をしている
為、ラマダン中だからと言って営業時間をひっくり返すわけには
いきませんよね。
そこで、日中仕事して日没後にフトールを食べてゆっくりとした時間
を過ごした後、睡眠・・日が昇る前に起きてソホールを食べて、朝まで
仮眠して、出社するのだそうです。
大変ですね。

私たち、結局フトールを食べきる事はできませんでしたが
この日は金曜日。
残した、惣菜パンをアパートに持ち帰り、酒のつまみにしました。
が、すでにお腹が苦しいので、お酒もつまみも喉を通らず仕舞いの
花金(死語・・・ですね)と相成ったのでした。
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