いよいよパリに別れを告げる日がきました。
帰りはパリのリヨン駅から、バルセロナを経由してマドリードで一泊の後
マラガへ行き、車でモロッコへ戻るという行きと逆のルート。

パリのリヨン駅の出発は、午前10時07分のバルセロナ行きのTGV。
レンタカーをこの日迄借りていたので、パリのリヨン駅にはレンタカー
で、向かいます。
朝は、早目に起きて荷物の整理。
今回は、米10kgや、ル・クルーゼの鋳鉄の鍋やグリルパン等の重量物
があるので、マドリードでの宿泊の際に駅から宿まで持ち歩くのはとても
大変!!
そこで、これらは一つにまとめておいて、マドリードの駅でコインロッカー
に預けてから、最低限の荷物だけ持って宿に向かえば、楽ちんであること
間違いなし。
荷物をうまくまとめて、午前9時頃にパリのアパートを出発。

ガソリンを入れて、レンタカーを返却してパリのリヨン駅へ。
アパートから、リヨン駅までは地下鉄で1駅という近さなので、車でも
あっという間。しかも、日曜日の朝なので、交通量が少なくて余裕の
到着でした。

TGVのホーム番号が表示され、車両に乗り込み列車は定刻に出発。
パリにさようなら〜〜〜

列車内では、タブレットにダウンロードした日本のテレビ番組を
見たり、景色を見たり・・・うとうとしたり。
シートとシートの間では、プーが静かに寝ています。

列車はBEZIERSという駅に到着。
小さな駅なのに、バルセロナ行のTGVも停車する程、利用する
人がいるんだな・・・
等と考えていると、フランス語で何やら車内放送が・・・
「トラックと2名が巻き込まれる事故があり、列車は30分ほど
ここで停車します・・・」と聞こえます。
「ん? 聞き間違えだと良いのですが・・・!!」
と英語のアナウンスも同じような事を言っているし、係りの人が
歩いてきたので、聞き直してみるとやはり、列車事故が発生したとの
事でした。
この係りの人は、乗り継ぎの乗客をチェックしていたので、私たちは
バルセロナからマドリード行きの18時の列車に乗る予定である事を
告げると、「スペイン鉄道にも連絡入れておきますが、間に合いそう
ですね。」と私たちの予定をメモして、他の乗客の調査を続けて
いました。

窓の外を見ると乗客は、列車を降りてホームで、たばこを吸ったり
休んだりしています。
もともと、この列車がバルセロナへ到着する予定は、16時40分。
そして、マドリード行きのスペイン高速鉄道の出発予定は、18時
なので、30分位の遅れなら、あまり影響ないか・・・。
と、30分になろうとしている時に再度アナウンスが流れ、「この
列車は、警察の許可が出るまで30分から1時間程度停車します。」
と時間延長のアナウンスが。
バルセロナからの列車がさらに厳しくなるなぁ・・・と、思いつつも
どうする事も出来ません。
この駅では45分位停車したでしょうか、外にいた乗客はいつの間にか
車両に乗り、列車は無事(?)に出発。

「事故があったのはどの辺だぁ?」などと考えながら、窓の外の
景色を眺めていると・・・

列車はナルボンヌ駅に到着。この駅は、もともと停車予定だった
駅なので、あまり気にしなかったのですが・・・
車内放送が流れ、「ここで、警察の出発許可を待ちます。停車は
およそ、1時間から1時間30分位になります。」との事。
「え!?マジ???」
それでは完璧に、乗り継ぎの列車には間に合わないでしょ!!
取り敢えず、外に出て係りの人を探します。

ホームに設置されている案内は、軒並み「遅れ」と表示されていて
私たちが乗っている列車は、2時間遅れと書かれていました。
確かにこの駅に到着した時、他のホームにも何台ものTGVが止まって
おり、皆足止め状態のようです。
係りの人をつかまえ、次の列車のスケジュールや対応について聞くと
「スペイン鉄道」「空港」等の乗り継ぎに関連する人は、到着後に
係りの人が誘導しますので、その指示に従ってくださいとの事。
「なるほど、ここまで完璧に遅れるとなると、もうジタバタしても
どうにもなるまい。」
「なるようになるさ。」と覚悟を決めます。

覚悟を決めたら「宿へ着くかどうか分からないので、ここで飲み会!」
と、売店でビールやワインを買いこんで飲み始めたところ・・・

鉄道会社から、食事セットの配給がありました。
水やマカロニサラダ、ビスケットにチョコレートムース
更に子供用の塗り絵セットなどが入っています。
つい今しがた、飲み物等を買ってきたし、遅れのショックであまり
食用がわかないので、これらはリュックの中へ。
そして、列車は結局2時間15分遅れでナルボンヌを出発しました。

バルセロナへ到着したのは、19時頃。
私たちの乗る予定の18時の列車は、既に出発しています。
ホームにでると、コネクションサポートと書かれた看板を持っている
人が「マドリード・ムルシア方面〜〜〜」とか「サラゴサ・ビルバオ
方面〜〜〜」等と、声をあげながら行先別に乗り継ぎ客を集めて
いました。
私たちは、マドリード方面の係員について行きます。
マドリード行きの列車への乗り換え客は、他にも多数いたので、同じ
ような問題を抱えた人たちがいることに不思議な安心感を覚えてしまい
ました。
結局、ホームを出て広い待合席のところにデスクが置かれていて、
そこで一人づつ状況を確認して対応していました。
次の出発便は20時だそうですが、既に満席との事で私たちは、21時発
のマドリード行のスペイン高速鉄道「AVE」に割り当てられました。
中には、「なんとしても○時までに空港へ行かなくては・・・」みたいな
事をしゃべりながら一生懸命調整していた人もいました。確かに空港へ
移動して飛行機への乗り継ぎを予定している人などは、もっと大変
でしょうね。
鉄道で移動の私達は、遅くなってもマドリード迄行くことが
出来ることに感謝です。

列車の出発までは、時間がたっぷりあるので一旦駅の外へ出てプーの
トイレと、ゴハンを済ませておきます。
プーは、環境が変わっても食欲が落ちることもないし、トイレは紙の
トイレシートなので、終わったらゴミ箱へ捨てることも可能だし
旅行の時は、とても楽です。

時間が近づいて、ホーム表示がでたので、列車に乗り込みます。
スーツケースを置場に置いて、出発待ち。

元々の予定では、マドリード到着は21時10分。
午後10時前なのですが、万が一コンビニやレストランが閉まって
しまうと大変なので、パリで夕食になりそうなものを買っておいて
最悪は宿にチェックインしてから、それらを食べる事にしていたのです
が、この列車ではマドリードへの到着は、24時を過ぎることでしょう。
宿にチェックインして、それから夕食・・・なんて訳にもいかない
ので、この列車で食べてしまう事にしました。
フランス鉄道からの配給と持参した食料品+先ほど駅で買ったワイン
やビールで、なかなか豪華になったではありませんか。

マドリードには、24時過ぎに無事到着。
実に長い一日だったなぁ・・と思いながら、余計な荷物をコイン
ロッカーに預けて、宿へと向かいます・・・

が・・・ややっ!?
事前に調査しておいたコインロッカーの方角の明かりが消されて
暗くなっているではありませんか。
嫌な予感を胸に、コインロッカーへと近づいて行くと、警備員
が近づいて来て「コインロッカーは使えないよ」と無情な言葉・・・。
入口のところには「05:30〜22:20」と書いてありました。
結局、重いスーツケースを引きずりながら、予約していた
アパートホテルのERIC VOKELへ。

このアパートホテルは、パリへ向かう時も利用した宿で、昼は係の
人がいて対応してくれるのですが、夜になると居なくなります。
それでも、無人チェックイン機がありクレジットカードを使って
チェックインが可能なので、とても便利。
自動チェックインすると、部屋番号が表示され自販機みたいに
カード式のルームキーが出てきます。
翌日は、午前10時35分発のマラガ行き。
朝は少し余裕があります。
なんとか、無事にマドリードに戻ってきたことに感謝しつつ
就寝


翌朝。
列車の出発が遅いので、宿は午前9時過ぎに出発する事に。
朝窓を開けてみると、広いバルコニーがありテーブルやサマーベッド
等が置かれていました。
前日に早く着いていれば、ここでワインでも飲みながら夜風を浴びる
ことも出来たでしょうけれど・・・ちょっと残念。
荷物を纏めている間、プーはサマーベッドで寛いでいました。

列車の出発時間より1時間以上も早くマドリードのアトーチャ駅に
到着したので、駅の外に出て写真を撮る余裕も。

マラガ行きのAVEは、定刻の10時35分に出発。

マラガへ到着したのは、12時55分。
およそ、2時間20分の乗車です。
その後、空港までは連絡鉄道で向かってパーキングに預けた車を
受け取って帰るわけですが、やはり荷物が重い。
そこで、一旦マラガの駅のコインロッカーに荷物を預けて、手ぶら
で空港へと向かう事にしました。

空港に到着してパーキングへ電話すると、10分ほどで迎えに来てくれ
ました。
そして車を受け取った後、一旦マラガ駅へ向かい、コインロッカーの
荷物を車に詰め込んで、一路モロッコへ。

マラガでは、丁度夏祭り「Feria de Malaga」の真っ最中。
時間があれば、この祭りも今回の旅行に組み入れたかったのですが、
今回は残念ながら見送り。
次の日は、会社で打ち合わせがあったのでなんとしてもこの日のうちに
モロッコへと帰らなければなりません。

夕食用のお惣菜を買うために、途中のスーパーマーケットに立ち寄った
後、タリファの港に着くと、丁度18時発のフェリーが出発するところ
でしたが、このフェリーには間に合わず。
次のフェリーは20時発のフェリーなので、タブレットにコピーした
テレビ番組を見ながら時間を待ちます。

フェリーは、およそ1時間でモロッコへと到着。
スペインとの時差は1時間遅いので到着した時間はモロッコ20時。
今回のパリへの列車旅。
飛行機で行けば、数時間でパリへ行けるのですが列車だと丸2日!
時間はかかりますが、ゆったりとしたシートでのんびりと移動する
列車旅もまた風情のある素敵な旅でした。
さて、次の日は会社での打ち合わせがあるという事で一旦モロッコへ
と戻りましたが、実は私は未だ夏休み。
モロッコは8月20日と21日が祭日で休みになっている為、その
前日も休みを頂いていたのです。
打ち合わせ終了後には一旦アパートへ戻り、すぐにスペインへUターン
します。
と、いう事で私の夏休みの旅行記・・・まだまだ続きます。
お楽しみに。
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