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2006/9/17
「“SCORE” Dream Theater 〜フル・オーケストラ・ライヴ2006」 soundscape
去年6月の新作『OCTAVARIUM／オクタヴァリウム』のリリースとそれに伴う今年１月のジャパンツアーを経て、Dream Theaterからまた新たな新作が我々の手元に届いた。新作はCDにして３枚組、DVDでは２枚組となるライヴ・アルバムで、今回の注目はなんといってもフル・オーケストラとの共演である。このグループ、もう行き着くところはフル・オーケストラとの共演か超絶技巧アンプラグド・アンサンブルしかないのではないかと、以前にも書いたことがあるが、早々にその一方をやってしまった。時は2006年4月1日、ニューヨークはRadio City Music Hallでの1回きりの公演で、彼らの20周年記念盤ともなっている。ZABADAKといいDream Theaterといい、なんともはや20年、長いものだが振り返れば短い幾年月である。
コンサートは2部構成、前半はバンドだけでのパフォーマンスで、冒頭の『オクタヴァリウム』からの２曲に始まり、『METROPOLIS Part2』まで過去に彼らがリリースしたアルバムから、レア・タイトルを含み１曲づつ演奏されている。オーケストラとの共演は後半から、6枚目のアルバム・タイトルの40分を超える組曲「Six Degrees of Inner Turbulence」によって幕を開ける。おそらくはジョーダン･ルーデスのオーケストレーションの技巧がもともといかんなく発揮されていた曲なので、こうして、生のオーケストラとの共演で聞くと、ますます曲の説得力が増しており、この曲が今回のライヴのハイライトだろう。人間の心の狂気や病、戦争状態を6段階で表現する組曲は、起伏に富んでアレンジも複雑なため、オーケストラも苦労したのではないだろうか。
アコースティックな小曲とバラードを挟んで場内は暗転し、９．１１テロ当時のWTCの破壊を伝えるニュース映像とSEが舞台上のスクリーンに映し出される。曲は新作から「Sacrificed Sons」、彼らなりのニューヨークへのレクイエムである。かって2001年8月に、やはりニューヨーク・ライヴの『Live Scenes from NEW YORK』を彼らがリリース直後、９．１１が勃発し、ニューヨークが炎に包まれているというアルバムのジャケット・デザインが問題となり差し替えられることにもなったのだが、ホーム・グラウンドでもあるニューヨークへの彼らの思い入れの感じられる選曲だ。
そして、今回の締めくくりは新作のタイトル・トラック、「オクタヴァリウム」。しょっぱなからジョーダン･ルーデスの独壇場である。ピンク・フロイド風のイントロは、シンセとちょっと珍しいフィンガーボードなる二種類のキーボードとスティール・ギターを駆使した彼のソロだったことがわかる。途中のキーボード・ソロもこのソロのために用意されたのだろうかヴィンテージもののカスタム・ビルトのムーグ・シンセサイザーで、独特の音色が感動的である。オーケストラもまじえた怒涛のフィナーレを迎えてみれば、彼らの音楽の集大成を見せつけられたような気がして感慨深い。
アンコールは「METROPOLIS Part1」。いつも、この曲がライヴでは最も盛り上がる曲であり、文字通りMETROPOLISのNYCで最後の最後を締めくくるのにふさわしい曲だ。オーケストラの音が重なり、より一層重厚感が増してうれしい限り。1月の来日ライヴには迷った末に行かずじまいとなってしまったが、ここでこうして、違ったパターンでパフォーマンスをリプリゼントされると、一ファンとしてはこれで納得せざるをえない。
贅沢を言うなら、今度は日本でもう少しゴージャスなオーケストラとの共演で行ってもらいたいものだ。今回は1日限りということで、オーケストラのリハも満足に出来なかっただろうし、フォーマルな黒い服装に身を固めた劇団員は平均年齢も高く、元気のよさとバンドとの一体感といった点で少々不満が残った次第である。イエスが2001年に、オーケストラを従えたコンサートをヨーロッパで行ったときは、東欧の音大生を中心とした寄せ集めのオーケストラだったが、劇団員がみんな若くて美しく、演奏しながらバンドの音楽も楽しんでいるといったフレンドリーな雰囲気が映像から伝わってきてなかなかいいDVD作品に仕上がっていたのだった。
とはいえ、今回の彼らは、オーケストラと共演した歴代のバンドのいずれにもひけをとらない堂々たるパフォーマンスだったことには違いない。ムーディー・ブルースやディープ・パープルに始まり、ピンク・フロイドの『原子心母』やキャメルの『スノー・グース』、エマーソン・レイク＆パーマーの『WORKS』を経て、イエスやイングウェイ・マルムスティーンまで連なる、ロックとオーケストラの共演の系譜のなかにDream Theaterもその一歩を築いたということになるのだろう。
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コンサートは2部構成、前半はバンドだけでのパフォーマンスで、冒頭の『オクタヴァリウム』からの２曲に始まり、『METROPOLIS Part2』まで過去に彼らがリリースしたアルバムから、レア・タイトルを含み１曲づつ演奏されている。オーケストラとの共演は後半から、6枚目のアルバム・タイトルの40分を超える組曲「Six Degrees of Inner Turbulence」によって幕を開ける。おそらくはジョーダン･ルーデスのオーケストレーションの技巧がもともといかんなく発揮されていた曲なので、こうして、生のオーケストラとの共演で聞くと、ますます曲の説得力が増しており、この曲が今回のライヴのハイライトだろう。人間の心の狂気や病、戦争状態を6段階で表現する組曲は、起伏に富んでアレンジも複雑なため、オーケストラも苦労したのではないだろうか。
アコースティックな小曲とバラードを挟んで場内は暗転し、９．１１テロ当時のWTCの破壊を伝えるニュース映像とSEが舞台上のスクリーンに映し出される。曲は新作から「Sacrificed Sons」、彼らなりのニューヨークへのレクイエムである。かって2001年8月に、やはりニューヨーク・ライヴの『Live Scenes from NEW YORK』を彼らがリリース直後、９．１１が勃発し、ニューヨークが炎に包まれているというアルバムのジャケット・デザインが問題となり差し替えられることにもなったのだが、ホーム・グラウンドでもあるニューヨークへの彼らの思い入れの感じられる選曲だ。
そして、今回の締めくくりは新作のタイトル・トラック、「オクタヴァリウム」。しょっぱなからジョーダン･ルーデスの独壇場である。ピンク・フロイド風のイントロは、シンセとちょっと珍しいフィンガーボードなる二種類のキーボードとスティール・ギターを駆使した彼のソロだったことがわかる。途中のキーボード・ソロもこのソロのために用意されたのだろうかヴィンテージもののカスタム・ビルトのムーグ・シンセサイザーで、独特の音色が感動的である。オーケストラもまじえた怒涛のフィナーレを迎えてみれば、彼らの音楽の集大成を見せつけられたような気がして感慨深い。
アンコールは「METROPOLIS Part1」。いつも、この曲がライヴでは最も盛り上がる曲であり、文字通りMETROPOLISのNYCで最後の最後を締めくくるのにふさわしい曲だ。オーケストラの音が重なり、より一層重厚感が増してうれしい限り。1月の来日ライヴには迷った末に行かずじまいとなってしまったが、ここでこうして、違ったパターンでパフォーマンスをリプリゼントされると、一ファンとしてはこれで納得せざるをえない。
贅沢を言うなら、今度は日本でもう少しゴージャスなオーケストラとの共演で行ってもらいたいものだ。今回は1日限りということで、オーケストラのリハも満足に出来なかっただろうし、フォーマルな黒い服装に身を固めた劇団員は平均年齢も高く、元気のよさとバンドとの一体感といった点で少々不満が残った次第である。イエスが2001年に、オーケストラを従えたコンサートをヨーロッパで行ったときは、東欧の音大生を中心とした寄せ集めのオーケストラだったが、劇団員がみんな若くて美しく、演奏しながらバンドの音楽も楽しんでいるといったフレンドリーな雰囲気が映像から伝わってきてなかなかいいDVD作品に仕上がっていたのだった。
とはいえ、今回の彼らは、オーケストラと共演した歴代のバンドのいずれにもひけをとらない堂々たるパフォーマンスだったことには違いない。ムーディー・ブルースやディープ・パープルに始まり、ピンク・フロイドの『原子心母』やキャメルの『スノー・グース』、エマーソン・レイク＆パーマーの『WORKS』を経て、イエスやイングウェイ・マルムスティーンまで連なる、ロックとオーケストラの共演の系譜のなかにDream Theaterもその一歩を築いたということになるのだろう。
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投稿者: イネムリネコ
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投稿者：イネムリネコ
ドリーム・シアターは私も『images＆words』から聞き続けているのですが
アメリカのメタルもレベルが高くなったなと当時はびっくりしました。
でも初めてライヴを見たのは、4年位前のTrain of Thoughtツアーです。
cometさんは結構早くに、彼らのライヴを体験されているんですね。
彼らは、周辺の音楽をよく聴いて、よく勉強していますよね。
その点はスティーヴンさんと似ています。
DVDの副音声のコメントを聞いていても、
自分たちの参照元のグループ名がポンポンと出てきます。
たしかに、「オクタヴァリウム」での原点回帰で、
彼らの音楽も一応煮詰まったような感があって
さてその後どうなるんだと思っていたら、
新作の「Systematiｃ Chaos」ではまた同じような過去の焼き直しにしか聞こえなかったので、
これからの新機軸に期待、といったところでしょうか。
アメリカのメタルもレベルが高くなったなと当時はびっくりしました。
でも初めてライヴを見たのは、4年位前のTrain of Thoughtツアーです。
cometさんは結構早くに、彼らのライヴを体験されているんですね。
彼らは、周辺の音楽をよく聴いて、よく勉強していますよね。
その点はスティーヴンさんと似ています。
DVDの副音声のコメントを聞いていても、
自分たちの参照元のグループ名がポンポンと出てきます。
たしかに、「オクタヴァリウム」での原点回帰で、
彼らの音楽も一応煮詰まったような感があって
さてその後どうなるんだと思っていたら、
新作の「Systematiｃ Chaos」ではまた同じような過去の焼き直しにしか聞こえなかったので、
これからの新機軸に期待、といったところでしょうか。
投稿者：comet
Dream Theaterは一度ﾗｲｳﾞに行った事あります。
確か中野のサンプラザだったかな？
ヴォーカルがJames LaBrieに代わった時だったと思います。皆さんテクニカルで驚きました。
聞けばバークリー音楽大学に通っていたそう。
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドってどうかな？なんて先入観があったんですが、機密な音で素晴らしかったです。
コンセプトアルバムを次々に出したようですね。
巧いからこそ、完璧な音作りに向かっていこうとする、それは素晴らしい事なんですが、かえって音が詰まり過ぎて私には疲れる音楽になりました。
設計図通りに完璧な建造物を作ってしまったような･･･もう少し遊び心が欲しいかな？
しかし、アメリカのプログレの偏見は彼らによって、なくなった事に感謝です。
http://cometopeth.exblog.jp/
確か中野のサンプラザだったかな？
ヴォーカルがJames LaBrieに代わった時だったと思います。皆さんテクニカルで驚きました。
聞けばバークリー音楽大学に通っていたそう。
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドってどうかな？なんて先入観があったんですが、機密な音で素晴らしかったです。
コンセプトアルバムを次々に出したようですね。
巧いからこそ、完璧な音作りに向かっていこうとする、それは素晴らしい事なんですが、かえって音が詰まり過ぎて私には疲れる音楽になりました。
設計図通りに完璧な建造物を作ってしまったような･･･もう少し遊び心が欲しいかな？
しかし、アメリカのプログレの偏見は彼らによって、なくなった事に感謝です。
http://cometopeth.exblog.jp/