2006/5/2
その何とも表現し難い
匂いの元は以外にも
私の足元から漂って来ていた。
そのどこか懐かしい感じのする匂いは
足元の小さな小さな石からだった。
私はその場にしゃがみ込み
その小さな小さな石を
両の目で凝視した。
恐る恐るそのモノを拾い上げ
ゆっくりと自分の鼻に近付ける。
やはり匂いの元は
この小さな小さな石で
私を今までの不安や恐怖から
開放してくれた。
暫くその香りを
楽しんでいると
何処からか
声が聞こえて来た。
耳を澄ますが
声の主の姿は
何処にも見えない。
しかし声は
確かに聞こえている。
再び辺りを見回すが
やはり何も・・・
見えはしない・・・

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