すずき・としむね◎1972年静岡市生まれ。早稲田大学在学中に応援部主将(応援団長)を務める。卒業後、様々な職種を経て、2000年よりルポライターとして活動を開始。著書に『地獄の伊東キャンプ 一九七九年の伝道師たち』(大修館書店)『なでしこという生き方―日本女子サッカーを拓いたひとりの女性の物語』(セブン&アイ出版)『「だましだまし生きる」のも悪くない』(光文社)がある。

2008/3/21

早乙女太一、16歳の“魔性”  INFORMATION
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撮影:桑原靖(無断転載を禁ず)

 大晦日のことである。
 東京・渋谷のNHKホールに私はいた。
『第58回NHK紅白歌合戦』の取材だった。
 紅白の舞台裏は慌しい。
 あれだけの数の出演者に加えて、バックダンサーや共演陣も行き来するわけだから、楽屋前は人でゴッタ返す。
 TVスターたちもみな、そこでスタンバイする。
 そのなか、スッと背筋の通った着物姿の女が、足並み柔らかに通り過ぎる。
 美しい―。
 その姿を認めると、並み居る芸能人たちが、誰彼、男女、構わず嘆声を上げた。
 羨望。
 嫉妬。
 複雑な感情の入り混じった声にならない声を上げているのは、いずれもトップスターばかりのはずである。
 その彼、彼女らが、辺り憚らず、図らずも溜息をもらした。
 その視線が集中した女は、実は女ではなかった。
 早乙女太一という。
 1991年9月24日、北九州市生まれの16歳。
 大衆演劇発“100年にひとりの天才女形”と言われ'03年、北野武監督に抜擢され映画『座頭市』に出演し、銀幕デビュー。
 '05年の『TAKESHIS'』では、本人役でスクリーンでも女形を初披露した。
 最近ではNHK大河ドラマ『風林火山』をはじめ、ドラマにもひっぱりだこの状態。
 そしてこの夜は、坂本冬美の『夜桜お七〜大晦日スペシャル〜』のゲストとして“紅白初出場”を果たし、流麗に舞ったのだ。
 さらに3月27日からは、宮本亜門が演出する祝祭音楽劇『トゥーランドット』(赤坂ACTシアターこけら落とし公演)にも出演が決定している。
 その美しい面持ちは、類稀な妖艶さを醸し出してこちらに迫る。
 ひとたび見つめられれば男女を問わずたちまち魅了されてしまう、魔性のまなざし。
 人は彼を“流し目王子”と呼ぶ。
 飛ぶ鳥を落とす勢いの次世代スターの存在を、その日、初めてこの目で認識した。

 年明けて―。
 早乙女太一についての資料を集め出した私は驚愕した。
 太一の母親・鈴花奈々さんは、ご主人である葵陽之介氏が座長を務める『劇団朱雀』の女優で、年齢が35歳だという。
 私と同い年であった。
 すると、16歳の息子がいるということは、19歳で産んでいることになるのだ。
 そして24歳で二男・友貴くん、29歳で長女・あゆみちゃんを産んでいるから、3子の母親である。
 座長も現在39歳と、まだ若い。
 1年中、全国の劇場や温泉センターを回る旅芸人の暮らしから、早乙女太一は生まれた。
 座長と奈々さんの話を聞いてみたくなった……。

 このような経緯で、大阪―岡山―高松―広島―岐阜と、長期に亘る密着取材はスタートした。そして3月18日発売号『女性自身』《シリーズ人間》で7頁、さらに《巻末グラビア》で『トゥーランドット』開幕直前の太一の肉声を伝えています。ぜひお読みください。


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