山歩きほどではないとしても、シーカヤッキングにとっても地図は重要な道具と思います。知らないフィールドを漕ぐときは誰もが地図を持参するでしょう。その時でもガイドと一緒に、あるいはベテランの方と一緒に漕ぐときは地図なしの人が結構いるでしょう。
地図は、安全・安心にツーリングするためだけでなく、地図を通して現地を確認していく楽しみを与えてくれます。その瞬間に自分の肉眼で見えるものはほんの僅かなものです。地図を持参すれば想像がふくらみツーリングがもっと楽しくなるはずです。
ところで地図には多種多様のものがありますが、シーカヤックツーリングでは次の3つ(海図、国土地理院5万分の1地形図、10万分の1道路マップ)を使い分ければ十分でないかと思います。
【海図】沿岸に関する情報が豊富なのは海図はもちろん海図です。干出岩・洗岩・暗岩などの岩礁、潮流・激潮、上げ潮・下げ潮の流速と方向、灯台・灯浮標、水深、砂浜・石浜・崖など海岸の様子など詳細に知ることができます。海図の最も大きな欠点は値段が高いこと。地形図とはひと桁価格が違います。小さな欠点は陸の情報が少なすぎることです。なお、海図はけっこう嵩張るし値段が高いので、海図をコピーして使っています。
【地形図】そこで次善の策としてお薦めが5万分の1地形図です。海の情報は少ないですが、それでも岩礁帯やサンゴ礁、海岸の状況、灯台・灯標などの情報はOKです。一番の特長は地図から陸の形状がわかることです。慣れてくれば先の岬を越えれば次にどのような景観があるが推測できるようになります。あたる確率はけっこう高いですよ。
【道路マップ】3番目は10万分の1道路マップです。※20万分の1では不十分です。九州一周などの長距離ツーリングをする場合は道路マップを使うととても便利です。まず費用が格段にかからないし、入手が簡単です。そして陸上の情報がとても豊富で(ただし等高線は詳細でないので陸の形状は推測できません)、漁港や海水浴場がほぼ網羅されているので、緊急避難の場合にも有用です。さらには1日50km程度漕ぐケースでは縮尺5万の1では大きすぎるので不便だからです。
3種の実際に使ってみるとそれぞれの良しあしがよくわかるでしょう。海図や水路誌の情報を地形図・道路マップに転記するも一つの便法でしょう。
地図は慣れれば慣れるほど使い勝手がよくなります。そのためには地図を携帯し現地を地図で確認するクセを身につけることが大切です。

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