シーカヤック長崎ではシングル艇として、ノースショアデザイン社のアトランティックとショアライン、ウォーターフィールド社のスパルタンキングと不知火2を使用艇としています。ND社の艇はスケッグ仕様、WF社の艇はラダー仕様です。もっとも、スケッグとラダーの違いはありますが、4艇に共通しているのはある程度のパドリングテクニックがあれば、通常はスケッグやラダーを使わなくてもコントロールができる艇ということです。
ラダー艇とスケッグ艇のどちらが使いやすいか?直進を保つという機能(これが一番大切な機能です!)という点からは大きな差がないというのが結論ですが、一般的にはラダー艇の方がなじみがあるのでお客様はラダー艇を好まれる傾向があるようです。

スケッグを最大に降ろした状態です。

スケッグを上げ下ろしするレバーでコクピットの横に着いています。この状態ではスケッグはカヤック本体の中に入っていて、左に行くほど降りてきます。出し入れの調整ができることがスケッグ艇のポイントとなります。
ところでシーカヤックは風の方向に舳先が向かうように通常設計されています。ですから左前方45度の方向からやや強い風が吹いている場合、均等に漕いでいればカヤックは前方左方向へ進んでいきます。これを避けて真っすぐ進もうと思えば@左だけを漕ぐ、A左の方を強く漕ぐ要領で左右を交互に漕ぐ、あるいはB(パドルによる)スターン(orバウ)ラダーを使う。これらはパドリングによる直進の方法ですが、長距離ツーリングや風波が強い時は体力の消耗につながるし、いやになってくるものです。
こんな場合にスケッグは体力温存のための効果的な働きをしてくれます。写真のレバー、一番前側(全く降りてない状態)は真向かいの風の時、一番後ろ側(最大限に降ろした状態)を真後ろからの追い風の場合と考えます。通常のパドリングで進行を保つことができなくなったら、レバーを前後に動かしながら調整し、真っすぐ進むようになったらそれでOKです。少し慣れてくれば1〜2回のレバー調整でうまく行くようになります。
ところで、ラダー艇を使えばラダーを常に使用し、スケッグ艇の場合は風見鶏ができつくなった時に使用する。また方向転換については、ラダー艇はラダーで、スケッグ艇はパドリング操作で行う。そんな傾向が見受けられます。こうして見るとシーカヤック初体験の方にとって、スケッグ艇の方がパドリング操作の面白さを実感できるのかもしれません。

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