計画では甑列島を一周(約100km)する予定が2日間で50km、道半ばのツーリングとなりましたが、甑島のダイナミックな自然を満喫することができました。
【1日目】17日
下甑島・長浜6:35発→中甑島・平良14:00着 行程25km(うち8km重複)
予想以上に北風が強い。長浜湾の北端にある芦浜から山越えの風が流れて来るのが見える。湾を出てから1時間ほど漕いだがなかなか進まない。地図を見ても風裏になる入り江がなく、鹿島港まで7km。4km引き返して芦浜漁港で休憩することに決める。風がやんできたのを見計らって再出発する。

ミタレという巨岩。このような断崖が続き、人工構造物が全く見当たらない。

下甑島と中甑島の間に流れる藺牟田(いむた)瀬戸。平成29年供用開始の計画で大橋が建設中で、その橋脚などが見える。最速2〜3knの潮流であるが強風下では激浪が起こる難所という。

平良漁港の防波堤前の浜。写真、左が中甑島、真ん中の小さな島が中島、右側と奥向こうが上甑島。上甑島と中甑島は中島を間にはさみ、甑大明神橋と鹿の子大橋という二つの橋で結ばれている。
【2日目】
平良6:10発→下甑島・瀬々野浦11:10着 行程25km

鹿の子大橋を通って西海岸に出る。藺牟田瀬戸の北東に位置する馬乗崎までは波風なく、上々の海況と喜ぶのも束の間、南東からの風がけっこう吹いている。下甑島北端の円崎までの3kmを横風を受けながら進む。

下甑島西海岸の北部に位置する鹿島断崖。円崎から西崎までど迫力の断崖が続く。

南〜南東の風なら風裏になるという予想が見事に外れる。西崎を過ぎて辺りから山を越え谷から下りてくる風が向かい風となり、これがけっこうきつい。波はほとんど立たないが岸近くでも風が吹いてくる。滝があり浜もあるのどかな風景だがエスケープ道が見当たらない。

壁立の断崖。松島・大カブ瀬、立髪といった小島や断崖が続く景観はお見事の一言。

壁立を回ると突然姿を現したナポレオン岩。同時に写真の左側にある大内浦からの出し風が吹いてくる。

ナポレオン岩から瀬々浦まで南へ1.5km。風速10m級の谷からの風のなか、懸命に漕いで目的地に到着した。11時の天気予報で確認するとこれから天気は下り坂。島南部の早崎・野崎・釣掛崎の難所を回ることを諦めて、今回の甑島ツーリングを終了。浜に上がって濡れたものを乾かしていたら、急に雲行きが怪しくなってきたのでテントを張るや否や雨が激しく降り雷が鳴り始めた。
この後、月曜日までさらに天気が悪くなる予報もあって上甑島と下甑島は次回の楽しみに残すことにしました。65%は負け惜しみですが、知らない海は2度目ぐらいが面白いのも確かなことです。

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