これから夏の終わり頃まで、大潮になると
潮の干満が大きくなる。大潮の日には、リーフや
浜辺で潮干狩りを楽しむ人たちが増えてくる。
コーラルウェイに8・6計算が載っているので、
そのまま引用してみよう。オバァたちや海人は
潮見表を見ずとも旧暦から潮の干満を割り出す。
新聞もラジオもなく、現代のように潮の干満を
知ることが出来なかった時代。
海人(漁師)が潮の干満を知るために利用していた
のが、「8・6計算」。旧暦の日にちに8をかけて、
出た数字の十の位が「時間」を、一の位に6を
かけた数字が「分」を表す。
たとえば、旧暦の1月4日なら、4×8=32
干潮の時間が3時になる。次に分は32の一の位、
つまりこの場合2×6=12が「分」
これで干潮の時間が3時12分となる。若干のズレは
あるが、潮の干満を知るにはじゅうぶんだ。
「8・6計算」は糸満の海人から始まったといわれているが、
学校など、一部の人しかいけなかった時代から
この計算式が使われている。
私の先輩漁師たちの中には字の読めない人も
珍しくはない。それでもこの計算は、暗算で割り出す。
生きて行くためには字より数字のほうが必要なようだ。
