宮古島に来た頃、夕方、パイナガマビーチの東屋に座って
海に沈む夕日をみながらビールを飲むのが日課の
ようになっていた。
地元の子供たちは、夕方から海に入って遊ぶ。
毎日、顔をあわしているので、アイスケーキ(沖縄のアイス)
を買ってやったらそれが癖になり、私の顔を見かけると
「アイスケーキ買ってぇ〜」とやってくる。
その頃の子供たちも今では、アイスをねだっていた歳の子供を
持つ父親・母親になっている。
いつだったか、作業服を着た髭面の男が
「俺は昔よくアイスを買ってもらったよ。」と言ってきた
ことがあった。子供が大人へと成長する姿はうれしい。
カラカラ先生が、「ここしばらくオバァを見ない」と
心配していた。気にはなっていたが、どうやら入院して
いるようだ。公設市場がなくなってから、新しい市場の前で
商売を続けていたが、もう、ほとんど目も見えなくなっていた。
公設市場で最期まで店を出していたオジィやオバァたちを
今ではほとんど見ることはない。
病院に入院することを、「アメリカーに行く準備をしている。」
という人もいるがいつまでも元気でいられるわけではない。
わかっちゃいるけど、いつかは順番が回ってくるもの。
見舞いに行っても、おそらく私だとわからないだろう。
活気があった頃の市場を思い出しながら、
ベッドで寝ているのかな・・・・
