台風が接近してくると船を陸揚げする。港に
ゾロゾロと集まっていつ頃、陸揚げするか相談して
決める。船を陸揚げする場所は港によって狭く、
ロープを張るのも他の船とのからみもでてきて、
出来ることなら一斉にみんなで陸揚げするのが
望ましいがなかなかそうもいかない。
ダイビングショップはお客さんとのかみ合いもあり
旅行会社と契約している店なら、天候を見てギリギリまで
船を出航させなければならないところもある。
カラカラはいち早く船を陸揚げして、
台風対策(ビールの買出し、麻雀の準備)をするが、
全部のショップがそんなわけにはいかない。
早くに対策を終えて家でビールを飲んでいると
「ショップの船が出港しているからこっちの(漁師)の
船のロープが取れない」と知り合いの漁師が文句を
言ってくる。「知るかいな!そんなよそのショップの
事情まで」あくまでも船長判断か店の判断やろ。
決めるのは船長判断。船長が決めたことを無駄なく
事を進めるのがスタッフの仕事だ。この風ならどこの
ポイントが静かで、あそこに向かえば潮が走っていると
わかっていても、口を出すわけにはいかないものだ。
船頭多ければ船は歩かない、昔の人はうまいことを
言ったもんだ。
