限られた範囲の島の生活では、「噂」はかっこうの
娯楽でもある。他人の噂話は面白いけれど、自分のことも
何を言われているやらわからない。
しかし、この「噂」は、ある意味、島の生活にとって
情報源でもある。そして「噂」というのは、人の耳を伝い
脚色されて面白おかしくなっていくもの。
島の生活の達人ともなれば、まるでマジックのように
「噂」を扱う。
ネット社会になっても島では「噂」の方が早く伝わる。
だいたいネタ元は、回りに数人いるので、広告を出すより
早く拡散する。
「噂」は危険物並みなので、その使い方は難しい。
「らしいで・・・」「だ、そうだよ。」「かも知れない。」
という言葉は「・・・だ!」に変換されるということだけは
知っておいた方が良い。
ただし「噂」は生物と同じで鮮度の良いものが好まれる。
人の噂も75日と昔の人は言うけれど、ここ宮古島では湿度が
高いので2週間ほどで消えてしまう。
「その話なら知ってるさぁ」で区切りがついて捨てられる。
どこから出た噂かわからないものは、口にしてはならない。
噂の仕入れ先は昔から人の出入りする港であることが多い。
そろそろ新しい噂を仕入れにいかなくては・・・・・
