男の子たちが近くの井戸に「若水」を汲みに行く。
オジィ・オバァのいう、これが昔の正月の朝一番の
風景だったそうだ。
井戸を使わなくなった近年では、朝、最初にひねる水道水を
「若水」として台所に祀ってあるヒヌカン様や仏壇に若水で
沸かしたお茶をそえて、新たな一年の健康を祈願する。
沖縄では「若水」を方言で「スディ水」という。
スディは「捨てる」の言葉がなまったものではなく
「スデル」とは、ヘビの脱皮や雛の孵化のように、
再生または新生を意味する言葉。
このような言い伝えから「若水」には若返りの効果が
あるといわれているが、普段はただの井戸水または水道水なので、
その効果は気持ちの問題だと思う。
ここでいう正月は新暦の正月ではなく旧正月のこと。
今は新暦の正月を祝うが、40年ほど前まで旧正月を祝う
家庭のほうが多かったそうだ。
今でも沖縄の糸満や宮古島の漁師町である久松や
伊良部の佐良浜では旧正月を盛大に?祝う。
最近では旧正月に船に飾られる大漁旗の数が少なくなった・・・・
