2007/11/26
新聞にクバヌパーズの伝承が載っていた。
クバヌパーズは狩俣部落のシャーマン。
狩俣は祖霊信仰のあついところで、古代性の強い
集落として知られている。
昔、狩俣にクバヌパーズ(男性)という人がいた。
クバの葉(ビロウの葉の意)。
彼は唐の国から渡ってきた人という説と、沖縄の
津堅島から妹と二人でやってきたと言う説がある。
占いの名人、または妖術使いとして広く人々に
知られていた。クバヌパーズは狩俣部落の周囲に
石垣を築き、東、西、北に鳥居型の石門を設けて
人々の居住空間を決めた。「狩俣の耕地はせまい。
やっとこの石垣内に居住する者が耕す面積しか
ない。将来、この囲いからあふれるほど民家が
増えるときは、村の人口を分けて他村に移すよう
に。」この伝承は、狩俣地域の土地の広さおよび
生産力と、それを支える人口の限界を語る言葉と
して残っている。
石門は三方に開かれ、居住する人が出入りする門が
東と西の門で、北の門は祭祀を行なう神女たちが
出入りし、普段は一般のひとは通れなかったそうだ。
東西の門は終戦まで残っていたが、荷馬車一台が
通れるほどの道幅であったことから集落内への車の
出入りをよくする為に撤去された。その後、東の門は
復元され現在も集落内入り口に残っている。
クバヌパーズは「スマヌヌス(島の主)」
村の守護神として祀られていたが、今では
訪れる人もなく、ひっそりと草に覆われている。

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