本土から新米が送られてきていた。
宮古島の水は硬水なので、せっかくの新米だから
ミネラルウォーターで炊く。
毎年、この時期になると新米が送られてくる。
11月23日は勤労感謝の日。
もともとは秋の収穫に感謝をささげる新嘗祭の
祭日であった。
皇居でも行われる大切な行事で、その年に収穫された
新米や新酒を、天地の神様に捧げる。
一説には飛鳥時代から続く行事で宮中や伊勢神宮でも行われる。
なんとか新米を美味しく食べようと炊飯器だけでなく
鍋を使って直焚きしたり
試行錯誤するが、水との相性が悪く、
なかなかうまくいかない。
日本海に抜ける兵庫県の山の中の民宿に夜遅く
到着したことがあった。
当時はコンビニもなく周りに店などない集落で、
食べ物を買うところなどなかった。
民宿に到着して「なにか食べるものはないですか?」
と聞いたら、
ご飯だけなら今から炊くという。
米を洗う音が聞こえてきてから30分ほどで
ご飯が炊きあがった。
ガスではなく釜で炊いたご飯で、そのご飯に地鶏の卵を
ぶっかけたTKG!
いまだにこの時に食べた卵かけご飯に勝るものはない。
いつだったかテレビの番組で、卵かけ専用の醤油を
作って売っている民宿が放送されていた。
間違いなくあのときの民宿だった。
炊きあがったご飯が立っている。
ホクホクのご飯。あの卵かけご飯が食べられるのなら、
それだけの為にもう一度
訪れてみたい。
