島の海沿いの各所に戦時中掘られた「壕」
が存在する。特攻艇の秘匿壕であったり、防空壕で
あったり、または陣地指揮所に使われていたところ
だったり戦時中、そのまま取り残されている。
ある壕では戦後、何かしらの理由でお墓に
入れなかった人の骨の置き場所になっている
使われ方をしている壕もある。
地元の人も壕にはあまり近づかない。
何年か前に、壕の奥で白骨化したものが見つかった。
持ち物から島外からきた人がそこで
暮らしていたようだ。
壕も色々で、中にはインスタ映えすると話題になって、
その名も「ハッピー防空壕」と呼ばれているところもある。
オバァから聞いた話であるが、壕の多くを韓国の人が
掘らされていたという。
「かわいそうによく殴られていたさぁ。
日本の若い兵隊さんも上官から毎日のように
殴られていたさぁ」という。
夜になると、どこからか「アリラン」の歌が聞こえて
いたそうだ。
その中の一つに「アリラン壕」と呼ばれているところもある。
70年過ぎた現在に「ハッピー防空壕」と呼ばれるなんて
想像も出来なかっただろう。
オジィやオバァからその頃の話を聞かされると、
その壕には血と汗が染みついているようで、
とても「ハッピー」とは言えない・・・・
